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Electricity Used by Office Equipment and Network Equipment in the U.S.: Detailed Report and Appendices
【起】
私たちの周りには、パソコンやプリンター、コピー機などのオフィス機器が増え続けています。1990年代後半、インターネットが急速に普及し始め、それまで16,000個しかなかったドメイン名(ウェブサイトのアドレスの一部)が1,500万個にまで爆発的に増えました。でも不思議なことに、これらの機器が実際にどれくらいの電気を使っているのか、誰も詳しく調べていませんでした。
【承】
そこで研究チームは、アメリカ中のオフィス機器とネットワーク機器の電気使用量を調査することにしました。パソコンやプリンターなどを11種類、ネットワーク機器を6種類に分類し、それぞれがどのように使われているのかを細かく分析しました。家庭で使うもの、オフィスで使うもの、工場で使うものに分けて、それぞれの使用時間や電力消費量を調べました。
【転】
調査の結果、驚くべきことが分かりました。これらの機器は年間74テラワット時(TWh)もの電気を使っており、これはアメリカ全体の電気使用量の2%にも及びます。さらに面白いことに、この電気の70%以上はオフィスで使われる機器が消費していることが判明しました。
もっと興味深いのは、省エネ機能(使っていない時に自動的に電気を節約するモード)をうまく使うことで、大きな節電効果が得られることです。現在でも年間23TWhの節電に成功していますが、もしすべての機器で省エネ機能を使いこなし、夜はきちんと電源を切れば、さらに24TWh(17TWh+7TWh)も節電できることが分かりました。
【結】
この研究で特に重要なのは、単に「機器が増えているから電気使用量が増えている」という当たり前のことを示しただけではないことです。むしろ、適切な対策を取ることで、大きな省エネの可能性があることを具体的な数字で示したのです。
【研究の新規性(面白さ)】
この研究の面白いところは、まるで街全体の「電気の食べ過ぎ」を診断して、ダイエット方法を提案したようなものだということです!
例えば、あなたの家やオフィスにあるパソコンは、実は「夜中にこっそり電気を食べている」可能性があります。この研究は、そんな機器たちの「深夜の暴食」を発見し、「ちゃんと夜は寝かせましょう」という簡単だけど効果的な解決策を示しました。
さらにユニークなのは、この研究が1995年の予測と比較できたことです。これは、いわば「15年前の未来予想図」と「実際の現在」を比べられたということです。その結果、人々は予想以上に機器の電源を付けっぱなしにしていることが分かりました。つまり、技術の進歩は予測できても、人々の習慣を予測するのは難しいということを教えてくれています!
このように、単なる数字の羅列ではなく、私たちの行動習慣と省エネの可能性を結びつけた点で、この研究は非常に画期的だったのです。