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発電機起動停止モデルを用いた国内卸電力市場の構造分析
【起】
電力会社同士が電気を売り買いする「卸電力取引所」という市場があります。でも、この市場での取引量は驚くほど少なく、日本の電力需要のたった0.2%しかありませんでした。これは何か問題があるのでは?という疑問から研究がスタートしました。
【承】
研究チームは、9つの電力会社それぞれが持っている発電所(火力、原子力、水力など)を全部コンピューターでシミュレーションできる大規模なモデルを作りました。このモデルを使って、各電力会社が「いくらで電気を作れるか」を計算しました。
【転】
計算してみると、面白いことが分かりました。電力会社によって発電コストが全然違うんです!特に、LNG(液化天然ガス)という燃料を使える発電所を持っている会社と持っていない会社では、コストの構造が大きく違いました。これは「お得な取引のチャンスがあるかも?」ということを示しています。
【結】
さらに分析を進めると、電力会社同士でもっと活発に電気を売り買いできる可能性があることが分かりました。具体的には、日本の電力需要の約3.1%分(現状の約15倍!)の取引の可能性があることを突き止めました。
【研究の新規性(面白いポイント)】
この研究のすごいところは、「発電所のパズル」を解いたことです!考えてみてください - 数百個の発電所があって、それぞれ「起動にお金がかかる」「急に出力を変えられない」「最低でもこれくらい動かさないといけない」といった複雑なルールがあります。まるでテトリスのような難しいパズルですよね。
研究チームは、このパズルを解くための特別なプログラムを作って、日本の電力システム全体を分析することに成功しました。そして「あれ?もっと得するやり方があるんじゃない?」という可能性を数字で示したんです。
例えるなら、「みんなが自分の家で料理を作っているけど、実は食材をシェアしたり得意な料理を交換したりすれば、全体としてもっと効率的になるかも!」という感じです。これまで誰も具体的な数字で示せなかったことを、パズルを解くように計算で示した点が画期的だったんです!