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金融工学を用いたLNG価格フォーミュラの市場価値評価
【起】
私たちの生活に欠かせない天然ガスには「LNG」という形態があります。これは天然ガスを冷やして液体にしたもので、体積が600分の1になるため、船で長距離輸送できます。日本は世界最大のLNG輸入国なのです。
【承】
でも、LNGの値段の決め方が複雑なんです。普通の商品と違って、原油の価格に連動して決まります。例えば、原油が高くなったらLNGも高くなる、という具合です。ただし、あまり高くなりすぎたり安くなりすぎたりしないように、「Sカーブ」という特殊な計算方法を使います。
【転】
問題は、このSカーブの形が「良い」のか「悪い」のか、客観的に判断する方法がなかったことです。売り手と買い手が交渉するときに、お互いの主張する価格の決め方がどちらが有利なのか、比べる方法がなかったのです。
【結】
そこで研究者たちは、株式市場で使われている「金融工学」という数学を使って、Sカーブの価値を計算する方法を開発しました。これにより、異なる価格の決め方を、お金の価値として比較できるようになりました。
【研究の新規性と面白さ】
この研究の画期的なところは、「形」を「お金」に変換する "翻訳機" を作ったことです!
例えば、
- AさんとBさんが違う形のSカーブを主張しているとき
- 「Aさんの形はBさんの形より32円安い価値がある」といった具合に
- はっきりと数字で比較できるようになりました
さらに面白いのは、この方法を使えば「同じ価値の別の形」を見つけることができます。まるで折り紙で、同じ大きさの紙から違う形の作品を作るように、同じ価値で違う形の価格の決め方を作れるんです。これにより、売り手と買い手がお互い満足できる「落としどころ」を見つけやすくなりました。
要するに、今までは「形」で争っていた交渉を、「数字」で話し合えるようにした...それが、この研究の革新的なところなんです!
これは将来、エネルギー取引の交渉を、より合理的でスムーズにする可能性を秘めています。まさに、数学の力で、ビジネスの世界に新しい「物差し」を作った研究といえるでしょう。